君たちはどう生きるか
本日はリカバリー走のみ TSS52.1
良書だった。
立派な人間になるために
80年前には当たり前だったであろう日本人の価値観
かなり前から話題になっているのは知っていたけれど、今更に読んだ「君たちはどう生きるか」。とても楽しく読ませてもらった。
この本に書かれていることの本質はただ一つ。
「立派な人間になれ」ということだ。
そして、作者の思う「立派な人間」になるためにはどうすればよいかということを、非常に抽象的だけれども的確に描いた作品だと思った。
こういう本が、80年も前にこの日本に存在していたのかと思うと、やはり日本人はすごいなと思った。
声を大にして「立派な人間になろう!」と言えた時代が、この国にはあったのだ。
でも、今はどうだろうか。
一生懸命とか、夢中とか、立派とか、そういう言葉が一人歩きし、形骸化し、どちらかというと、若い人たちから「そんなのダセえよ」と白い目で見られるような社会になってしまったように思う。
大東亜戦争での敗戦以降、外国勢力に乗っ取られて亡国してしまったこの日本という国には、現在、「自分さえよければ他人なんてどうだって良い」という価値観が横行するようになった。
人と人とのつながりが希薄になり、それでも辛うじて繋がっているというにわかな現実味が、まるで空想のように語られるだけの詫びしい社会になって久しい日本社会。(なぜそうなったのかと言えば、人と人との繋がりが希薄な社会の方が、支配・管理するにはうってつけで、管理側からすれば効率が良く楽だからに他ならない。)
そんな時代背景を尻目に、こういう本が少しでも売れているという事実は、僕にとっては結構嬉しいことだったりする。
この本だけを読んで、「立派な人間になるためのメソッド」すべてを理解することは、恐らく難しい。原作者は、弁証法をはじめとして、様々なことを学んで、それを作品に落とし込んでいるだろうが、この作品だけでは、それを汲み取ることはできないだろう。別途、自分でもかなりの勉強が必要だ。
しかし、それを差し置いても、この本は良書だと思う。
立派な人間の定義
言葉を正確に使用し、建設的な議論を行うには、必ず「言葉の定義」を設ける必要がある。
では、本書で語られている「立派な人間」とはなにか。
それは、一言で言えば、「他人の気持ちを理解できる・理解しようとすることができる」ということだろう、と僕は推定する。この本を読んで、日本人として生きる上で、そのことの重要性を改めて確認した。
漫画ドラえもんにも、こういうシーンがある。
間違いなくこれなのである。
しかし、こういうことを当たり前にできるよう教育された日本人は、本当に少なくなったように思う。
自分さえよければ良いという、個人主義的且つグロテスクなナルシシズムばかりが横行しているこの国に、もはや、本来的な国としての未来はないだろうな……、と感じざるをえない。
(多分、多くのアマチュア自転車チームが崩壊していく原因のひとつはこれだろうと分析している。そういうチームの速い実力者は、「自分さえ速くなれさえすればよい。たとえ同じチームメンバーであろうと、努力をしない遅いビギナーなんてどうだっていい」と思っているかもしれない。そういった考え方は『Be-Blue』の基本理念とは真逆で、「強い者同士が集まり、自分が強くなる為にお互いを利用し合う」という、最悪の思考だ。もちろん、言い訳ばかりを重ね、自転車の優先順位を勝手に下げ、努力もせず、トレーニングもせず、怠け放題のビギナーにも、それはそれで、別の問題はあるのだろうが)
「立派な人間になるため必死に頑張ろう!」どころか、「ダメだって、クズだって、悪くたって、どうでもいいじゃあないか。気楽に暮らそうよ」的な価値観が幅を聞かせている。
堕落することは確かに楽だ。しかし、楽の先に待っているのは苦でしかない。僕はそう考えている。
僕が、自分の結成した自転車チーム『Be-Blue』のメンバーに、走力や機材ではなく、人間性を求めるのはこういう理由なのだ。
物事を短絡的・短期的に考え、自己中心的な思考と極度なナルシシズムに侵食された精神では、到底「立派な人間」にはなれないだろう。
仮に自転車選手としては立派でも、人間として立派でなければ、『Be-Blue』に所属し走る意味がまったくないのだ。
こんなこと、敢えて口には出さないけれど(文章では平気で書く)、そういう思いを、ほんの少しでもメンバーと共有しながら、前を向いて頑張っていきたいと、僕は常に考えている。
ロードレースチーム『Be-Blue』ではメンバーを大募集中です!
というわけで、こんな変わったブログを書いている変わり者の私が主催者ですが、実際に会うほうが、ここに書いてある人格よりは多少、否、かなりマイルドですのでご安心ください。
- みんなで楽しく走りながら、本気で強くなりたい!
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そんなあなた!
ロードバイクを通じて、みんなで一緒に最強の漢を目指しませんか?!